雪系男子のゆうちゃん



「え、ていうか俺今日バイトだったんだ!!

結城のこと迎えに言ってる暇なんてねーわ!」



もうすぐで保健室に着くというころ、

浜田が急にいつもの調子に戻って、スマホで時間を確認する。


「ごめん!!結城のこと頼んだぞ!!」


「はい」


「ほんとに頼んだぞ、案外繊細なんだぞ、あいつ!」


…繊細って…それと倒れたこと関係あるのか…?


と思いながらも、「はい」と素直に返事をする。



「じゃーな、優!!」



浜田が俺の名前を後に残して、

かっこよく(?)黄昏に向かって走っていった。



学校で誰かに優って呼ばれたの初めてだ。



「…虎太朗…」



一応呼んでみたけど、やっぱり犬のコタローが先に頭に浮かぶからナシだな。





そんなことを考えながら、保健室のドアに手をかけた。





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