雪系男子のゆうちゃん




まだダルそうだが、重たげな瞼がちょっと見開いて、


「ゆーちゃん…」


と口が動く。


そして、少し顔を赤らめて口角が上がる。


嬉しそうだ。



「大丈夫?」


と俺が枕元の椅子に座って聞くと、こくん、と力なく頷いた。


「生理痛…重くて…最近、朝晩も遅いから…それで…色々合わさって…」


と、説明してくれる。

大会まで一週間ということで、朝晩、稽古に励んでいるあやちゃん。


そりゃあ倒れる。


「まだ、しんどい?」

少し汗ばんで、髪が濡れたように顔に張り付いてるのもまたえろい。


なんて病人の前で考えてる俺は、アホだ。反省。


「…ちょっと。でもだいぶマシ」


ふーっと息を吐いて、布団に入ったまま軽く伸びをする。


それから、くりっとした目で俺を見上げる。


またこの目。


俺はこの目に弱い。


熱でいつにもましてうるうるの瞳は、そのままポロっと涙をこぼした。



…げ。






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