雪系男子のゆうちゃん
お弁当タイム
結城絢香side>>
昨日は大変だった。
体もだけど、気持ちの面でも色々と……大変だった。
極度の生理痛と、疲労で、廊下で倒れた時、なんとゆうちゃんが抱いて、保健室まで連れて行ってくれたのだ。
こんな私を軽々とお姫様抱っこするんだから、男の子だなぁと感じながら、
痛いほどの視線を浴び、辛いのと幸せなのとで吐き気までした。
そして、耳元で甘い声で囁かれたのは、本当に胸キュン死だから心臓に悪かった。
放課後まで休んで、体調が回復し始めた時、ゆうちゃんが保健室に来てくれて…
「…」
考えただけでもにやけちゃう。
なんか、色々。
だって、抱きしめられちゃったし。
4限の数学の時間。
私は、ちらっととなりの席のゆうちゃんを見る。
思いっきり顔をしかめて、黒板をにらんでいて、絶対理解してないんだろうな、という感じの表情だ。
そして、今日はなんと…………
「メガネ……反則………」
そう、メガネゆうちゃんだ。
朝から、女子がめっちゃ騒いでスマホのシャッター音があらゆるところから聞こえるので、何事かと思えば、
「ワンデー使いすぎた」
だからしばらくメガネらしい。
ズボラなゆうちゃんもなんとも可愛い。