雪系男子のゆうちゃん
「へ、結城、何ニヤニヤしてんの!きも」
我に返ったのは、振り返って私の顔を覗く浜田の声が聞こえたからだ。
「は、キモくないし 喋んな」
私は、周りが立ち上がって、お弁当を出したり食堂に行ってるのをみて、4限の授業が終わったのを悟った。
いけない、妄想に耽りすぎた。
ゆうちゃんはというと…
「今度こそ赤点だ」
と、やはり頭を抱えている。
結局、最後までついていけなかったのだろう。
可愛い。可愛すぎる…
「お、今日の授業お前も分かんなかったの!
一緒だ〜、一緒に補修行こうな!」
浜田が元気にそう言う。
「心配しなくても、ゆうちゃんには私が…」
教えてあげるから…__と言おうとした時…
「大丈夫、みゆが教えてあげるから!」
!
「げぇぇ!!美優!なんで!?」
突然現れた美優に、浜田が思いっきり嫌そうな声を出す。
「なーによ、優Tubeと一緒にご飯食べちゃ悪いのー?」
美優は浜田をにらんで、ゆうちゃんの机に誰かの机をくっつけて座り、
持ってきた可愛い小さなお弁当を広げ始めた。
「ねー、私、数学一番得意だから、教えてあげるね、優Tube♪」
「お願いだから、その呼び方やめて」
ゆうちゃんは、自分の机を美優の机からぐいっと遠ざける。