雪系男子のゆうちゃん



「はー、笑いすぎた。優くん、面白すぎ」



美優が、目頭にたまった涙を拭きながら、手でパタパタと仰ぐ。


「面白い優くんも、好き!大好き!

てか、メガネはやばすぎる!愛してる!」


美優がまた上目遣いでゆうちゃんを見る。


そんな…私が頑張っても言えないようなセリフをサラッと…


「…」


ゆうちゃんは、黙ってメガネをとって、お弁当を片付ける。


「ねぇ、本気だって〜。次いつ空いてる?デート行こ、デート」


ちょ、美優の攻め方がすごすぎて、私と浜田は「すげえな」と囁き合うことしかできない。


「空いてない」


「うそ、絶対空いてる」


「空いてても行かない」


「なーんーでーよ、行こ〜よ」



美優がゆうちゃんの袖を振り回してねだる。



「美優やめろよ、綾瀬が困ってる」


浜田が助け舟をだす。


「…んー、じゃあ4人でだったらいい?」


「え」


「みゆと優くんと、絢香ちゃんと浜田!


それだったら、いい?

ね、絢香ちゃんと浜田はいいでしょ?」


「まあ…俺はいいけど…」


「まあ…私もいいけど…」



3人の視線がゆうちゃんに集まる。





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