雪系男子のゆうちゃん

「いや〜あいつ昔からああなんだよな〜。

な、結城」


「…だね…」


ゆうちゃんの笑顔が見られたので、さっきのことは全て水に流せる。


美優が、ゆうちゃんに


数学教えてあげルゥ♪って言ったり、


あ〜んしたり、


ベタベタしたり、


優くんって呼んだりしたことも、全部水に……



「…流せるかクソ」


私は2人に聞こえない声で毒づいた。



「…で、教えてくれるの？」


1人でイラついている私の机に、綺麗なゆうちゃんの手が置かれる。


「へ？」


「数学、分からないです」



…私に…教えてって言ってくれた…


美優じゃなくて、私に……！



あ〜ん、大好き！！


無垢の可愛さで見つめてくるゆうちゃんには、「1000点満点取れるように教えてあげるから！！」


と宣言し、


「ラッキー！ついでに俺もな！」

と言う浜田には「は、自分で頑張れ」と返して移動教室の準備をした。