雪系男子のゆうちゃん
ゆうちゃんは、
「まだ甘い匂いする…」
と言って、腕を振る。
甘い匂いって…「あ、美優の?」
私がそういうと、こくん、と頷いて相変わらずお腹に擦り付けたり、
ズボンに擦り付けたりして何とか匂いを落とそうとしているゆうちゃん。
「どんな匂い?」
私の質問にゆうちゃんは、黙って袖をこちらに向けてくれる。
私が顔を近づけると…
「ふゃっ」
なんとゆうちゃんの右手で、ほっぺをむにって挟まれた。
「へっ、にゃに、はなしてっ」
いや、離さなくても幸せだからいいんだけど、
むしろ永遠にこのままでもいいんだけど、と思っているのはキモいので内緒だ。
ゆうちゃんは、そのまま机に腰掛けて、「もう治ったの」と私の顔を見つめる。
無理、耐えられない。
かっこよすぎる。
メガネ越しのゆうちゃんの淡い色の瞳。
少しだけ目にかかる前髪が、より一層色気を爆発させる。
「へ」
「体調」
近くで見てもきれいな肌。
話すと動く喉仏に興奮で失神しそうになりながら、なんとか低くて落ち着いた声を聞き取る。