雪系男子のゆうちゃん
今度は私が、ゆうちゃんを見つめる。
相当な身長差があるから、首ごと見上げないといけない。
少し開いたシャツのボタン、ゆるいネクタイ、色気が醸し出される耳、首筋、顎のラインと茶色い髪…
「え、泣くの?」
カバンのチャックを締めながら、ゆうちゃんがちょっとビビりながら聞いてくる。
「え?泣かないよ」
「…よかった」
ゆうちゃんは、軽く息を吐いた。
どうやら私が昨日、泣きまくったのがトラウマになっているらしい。
ゆうちゃんは、私が泣いたらどうしたらいいのかわからないってくらい困ってた。
どうやら、女子の涙に弱いらしい。
しかし、私の涙に困り果てて抱きしめてくれてしまう、優しすぎるゆうちゃんを知るとこができて、
どこか優越感を感じている自分がいた。
(ま、女とは結局、そういった生き物なのである。)
困ってるゆうちゃんには、ものすごく申し訳ないけど、
あんなに焦って、心配してくれるのが嬉しくて。
「もう、昨日で俺のこと全部知れたの」
「ん〜、それは…」
家でいつも何してるの?
将来の夢は?
好きって言ったらどうする?
私のこと好きになってくれる可能性はある?
………知りたいことならいっぱいある。