雪系男子のゆうちゃん
そんなわけで、来週までの課題は、
各クラスで何を出し物にするかを決めて来い、と言うもの。
校内でも、野外でもいいし、模擬店でも演劇でもいいらしい。
つまり、めちゃくちゃ自由だ。
黒板には一応の参考(去年までの実例)が書かれている。
猫耳カフェ
お化け屋敷
仮装カフェ
ボーリング大会
etc....
「ね、ゆうちゃん」
私が呼ぶと、メガネをかけ直したゆうちゃんが振り向く。
ジリジリと近寄ってきている、女子の群れを横目に、
「ちょっと、参考になりそうな物ありそうだからさ、ついてきて」
と私はカバンを持って席を立った。
「え、まって眠いから帰りたい」
ゆうちゃんは、立つまい、として机に置いたカバンをぎゅっと抱えて上目遣いで見てくる。
「ここにいたら、もっと帰り遅くなるよ」
私が、こちらをチラチラ見ながら、誰から話しかけるか争っている十数人の女子の群れを顎でさすと、
「…袋の鼠だ」
と残念そうに言いながらようやく席を立ってくれた。