雪系男子のゆうちゃん



_____


「え、ここ?」


私がある部屋の前で立ち止まると、ゆうちゃんも立ち止まった。


「うんっ、ここ!」


日が沈んで外はもう暗くて、

周りの教室もすでに電気が消えているから、廊下は少し気味が悪い。



周りには、誰もいない。


横に立ってるゆうちゃんを見上げると、そのことが、急に深い意味を持つように思えた。



…って、別に、やましい意味で連れてきたわけじゃないから!


一応、意味がある。

一応、だけど…。


ガラガラっとドアを開けると、真っ暗な部屋。


私は手探りでスイッチを探して、電気をつけた。



いきなり明るくなって、ゆうちゃんが顔をしかめる。


しかめっ面でもかっこいいって何事!?


私は、見惚れてしまいそうになるのを抑えて、

「演劇部の部室でーす!」


と、この小さくて若干埃っぽい部屋を紹介した。






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