雪系男子のゆうちゃん
「…ん、んん、そ、それ!」
私は、動揺しながら小刻みに何度も頷いた。
ゆうちゃんは、了解したという面持ちでそのダンボールを取ろうとする。
だめ、だめ、
それ取っちゃったら、ゆうちゃん、離れちゃう。
この、距離、まだ、まだこの距離がいい、
壁とゆうちゃんに挟まれて、あと1時間…
いや…
…1分でもいいから!
それなのに私は、この状況でとてもじゃないけど頭をうまく働かせることができない。
美優だったら、思いつくんだろうか。
どうしたら、このままでいられる?
どうしたら、ずっと近くにいられる?
どうしたら、美優みたいに可愛くおねだりできる?
ゆうちゃんの影の下で、
洗剤のいい香りがする影の下で、
真っ白になった頭の中で、好きだけが何度も何度も繰り返される。
言っちゃだめだ、だめだ、
言いたい、でも怖い。