雪系男子のゆうちゃん



パシッ


胸の前まであげた私の両腕を、ゆうちゃんの片手が捉える。




「…いぎっ」


動かそうとしても、動かない。


「…っぐ」


「あやちゃん、馬鹿力」


ゆうちゃんがちょっと笑っていう。

日々の鍛錬の成果を生かして、思いっきり力づくでいってやろうと思うのに、

私の両腕を掴む片手はビクともしない。



「…なんで…」

私、こんなに鍛えてんのに…


「…んんん〜っ!」

私がさらに力を入れると、パッとゆうちゃんの手が離れた。




そして、ひょいっとあっけなく猫耳を取られてしまった。


「あ!返して!」


「やだ」


ゆうちゃんは届かないように、猫耳を持った手を上に上げる。


「…ちょっ、かえ…っして…っ!」



ぴょんぴょんと跳ねながら、取り返そうとする。


ゆうちゃんは笑いながら、ちょっと腕を下げて、私が触れそうになると

またひょい、と上に持ち上げた。


笑ってる…



…卑怯者…!!







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