雪系男子のゆうちゃん
「一瞬だけじゃん、一瞬でいいから、つけて」
私は取り返すのを諦めて、手を前に合わせて懇願する。
「ダメだって」
「なんでダメなの!」
「襲われちゃうでしょ」
ゆうちゃんは、そう言って私が届かない高い棚の上に猫耳を置いた。
「誰もいないからいいじゃん!」
「いるじゃん」
「え!?」
私は周りを見回す。
え、いないよね?
「いないじゃん!」
ゆうちゃんは、何のことか分かってない私を、ちょっと哀れむような目で見てくる。
何その目は…!
………
………
………って、え、もしかして
「え、私のこと!?」
私は自分でも笑えるくらいびっくりして、自分を指差した。