雪系男子のゆうちゃん
………
私はまったく動けない。
息をするのさえも忘れていた。
…ゆ、ゆうちゃん、
私、もう何が何だか分からない…
「ゆうちゃ…」
「ん…くくく」
…ん?
私の耳のそばで、ゆうちゃんの息が漏れる。
耳が熱い。
「……くくくく」
顔は見えなくても、肩が揺れてるのはわかる。
「…ゆうちゃん、笑ってるでしょ」
私がやっと呼吸することを思い出しながら、そういうと、
ゆうちゃんは私から離れて、
「…ぷっ、あはは」
と、声に出して笑った。
「も〜、からかったの、ひどい!」
私はニヤニヤしているゆうちゃんを睨む。
…意地悪そうに笑ってるゆうちゃんが可愛くて、かっこよくて悶えそう、
ってことには気づいていないことにしておく。
「俺がこんなドSキャラだったら、どうする?」
俺が襲うはきもい、と自分で自分のクサイセリフを笑いながらゆうちゃんが聞いてくる。
「…そんなの、」
そんなの、めっちゃ萌えるに決まってるでしょ…!!と言いたいけど、
この状況でそれをいうのは悔しすぎる。