雪系男子のゆうちゃん



真っ暗な部屋。


聞こえてしまいそうな鼓動、

ゆうちゃんの甘い匂い。



「あんな可愛い顔したら、次こそ襲う…」


パチっ




「んっ、ふふふ」




「…ほーら、笑いすぎ!」



電気をつけて後ろを見上げると、肩を震わせて笑ってるゆうちゃん。




もう、本当に、いい加減にしてほしい。


冗談でもそんなこと言われたら、


こんなに…ドキドキしてるんだから。



「ゆうちゃんのいじわるっ」


私は半分本気の恨みを込めて、ゆうちゃんを睨んだ。



「ふふ、そんな顔見れるならS語勉強しよっと」



ゆうちゃんは「恋愛小説でも読もうかな」とまた肩を震わせて笑って前を歩いていく。


S語………


…って、なに…?







「…ま、待ってよ〜」



睨むつもりが顔の力が全部抜けて、


にやけるのを我慢しながらゆうちゃんの背中を追いかけるしかなかった。





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