雪系男子のゆうちゃん



あやちゃんが、委員会のプリントなどを取り出して、何か話している。


俺は、それを聞いているそぶりをする。

あやちゃんが、「わかった?」という。

俺は黙って頷く。


あやちゃんが、じっと俺を見る。

俺は首を傾げる。



あやちゃんが、トマトよりも赤くなる。


俺は机から教科書を取り出して、移動教室のために席を立つ。



「ゆうちゃんっ、ばいばーい」


あやちゃんが俺の背中に声をかける。


移動教室ごときにばいばいって、 と思いながら俺はまたぺこりと頭を下げるってか、頷く。
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