雪系男子のゆうちゃん
「えっ…ごめん!
違うよ、ゆうちゃん!!
気に入らないとかじゃなくって…だから、どんなのかな、って単純に…っ
聞いただけ!」
あやちゃんが、慌てて俺の顔を覗き込んで弁明する。
わかってる。
という意味で、俺は窓の方を向いて、一回うなずいた。
窓の外から、野球部とテニス部の声が響いてくる。
赤い空をカラスが点々と飛んでいる。
「えー!どうしたの、なんでそっぽむくの、
ほんとに違うよ!?」
あやちゃんの手が、俺の手の甲に触れる。
細いのに柔らかい手のひら。
ちょっとだけ、息がしづらくなる。
…落ち着け変態。
自分で自分を貶す。