雪系男子のゆうちゃん
賭けてもいいが、今まで、こんなのは全然平気だったのだ。
本当だ。
あやちゃんよりも何倍も可愛い子から(失礼)、どんなスキンシップをされたって
別になんともなかった。
苛立ちを覚えようとも、それまでだった。
このあやちゃんも、
そんな俺のことを好きな子の1人にすぎないはずなのだ。
なのに…
もう、いやだ。
俺は目を瞑る。
あー、やだ、なにこの感じ。
考えるの面倒くさい。
でも考えてしまう。
でも面倒くさい。
いつも通り、そっけなくすればいい。
でも触れたい。
その先を考えると、面倒くさい。
どう弁解しようか、どう謝ろうか。
でも…
堂々巡りに陥りながら、
俺は、なんとなくあやちゃんの手を握った。
あやちゃんがびくっと反応して、俺の顔を見る。
俺もあやちゃんを見る。
赤い。
赤くて、
戸惑ってて、
期待してて、
目が潤んで、少し震えてる。
だめだ、俺、考えろ、冷静になれ、
俺は理性を使ってあやちゃんの手を離そうとする。
可愛い、可愛い、可愛い。
俺は下唇を噛む。
あやちゃんの手を掴んだまま、ぐっと引っ張って引き寄せる。