雪系男子のゆうちゃん
ライバル
結城絢香side>>
「…ってことがあったの…!」
私は、息も絶え絶えに話終えた後、カップのコーラを一気飲みしてバン!と机に置いた。
目の前の美優が、信じられないという顔で息を呑んでいる。
「…ゆ、優くん…に…かかか、可愛い…って…」
美優の顔がみるみる赤らんでいく。
「言われたのーー!?!?!??!」
ファミレス内に美優の声が響き渡る。
それに気付いて、美優ははっと口を押さえ、
それでも、「え、は、え、は」と何か言いたげにしながら手で団扇を作りながら顔を仰ぐ。
部活終わり、すっかり日が落ちて外は真っ暗。
2人でよくくるこのファミレスで、私は昨日の諸々を美優に話したのだ。
美優とは空手と恋のライバルでもあるが、
それ以前に幼馴染みであり親友。
しかも、好きな人が同じとなれば恋話が盛り上がるのは当然(?)で、
私たちはたまに、夜通しゆうちゃんのことを話しながらお泊りしたりもする。
まあ、お互い恨めしくないこともないのだが、
やはり楽しく話すほうを選んでしまう。
もちろん、私たちの間でのゆうちゃんへの先駆けや意地悪は全面的にオッケーだ。