雪系男子のゆうちゃん
「絢香ちゃん、綾瀬くんおはよ〜」
と、ゆうちゃんに挨拶をするのは同じクラスの大野梨花(おおの りか)。
梨花ちゃんは、みんなに優しくて明るいできる女子だ。
「梨花ちゃん、おはよ〜」
返事をした私の隣で、ゆうちゃんは例に倣ってペコっと頭を下げる。
まだきていない浜田の席に後ろ向けに座った梨花ちゃんは、
「綾瀬くん、私の下の名前知ってる?」
と、ゆうちゃんに聞く。
「これ何回めなの」
「え、私の名前忘れたの?」
「…梨花」
ゆうちゃんが答える。
「せいかーい!へへへ」
と梨花ちゃんが嬉しそうに笑う。
「なにそれ笑」
私がツッこむと、
「絢香ちゃんも、してもらいなよ。
これ合法的に綾瀬くんに名前呼んでもらえるんだよ」
と梨花ちゃんが楽しそうにいう。
「…確かに!」
「でしょー」
私は、「絢香」と呼ぶゆうちゃんを想像して、
となりのどうでも良さそうな顔をして、頬杖をついているゆうちゃんを見る。
「ゆうちゃん、私の名前知ってる?」