雪系男子のゆうちゃん



「な、なんで笑ってるの」


しばらくして、やっと絞り出した言葉。


赤くなってないだろうか、恥ずかしい。




「熱いなーと思って。」


そう言って、まだ含み笑いを浮かべたまま

問題集に取り掛かるゆうちゃん。




ああーー!!!もう!!!


なんて愛しい!!!!



我慢できない!!



いやしかし。


ここで欲望のままに押し倒してしまえば、この前の強姦未遂と同じだ。



我慢、我慢、我慢だ。




って、



私なんで恋愛小説の男子の胸の内みたいな感じになってんの。


なんで私、欲情しまくって理性の限界…!とか言ってんのよ。


あーあ。これだから色気のない女は…。



恋愛小説の女の子みたいに、相手をくらくらさせて欲情させるほど色気醸し出すなんて…

私には不可能だ。




これは、完璧に男女逆転劇。

天然で誘ってくる罪な女の子ヒロインと、

それに目がくらんで頭をかかえる男子生徒。




まさにその逆転の図がここに繰り広げられている。







< 36 / 188 >

この作品をシェア

pagetop