雪系男子のゆうちゃん
「な、なんで笑ってるの」
しばらくして、やっと絞り出した言葉。
赤くなってないだろうか、恥ずかしい。
「熱いなーと思って。」
そう言って、まだ含み笑いを浮かべたまま
問題集に取り掛かるゆうちゃん。
ああーー!!!もう!!!
なんて愛しい!!!!
我慢できない!!
いやしかし。
ここで欲望のままに押し倒してしまえば、この前の強姦未遂と同じだ。
我慢、我慢、我慢だ。
って、
私なんで恋愛小説の男子の胸の内みたいな感じになってんの。
なんで私、欲情しまくって理性の限界…!とか言ってんのよ。
あーあ。これだから色気のない女は…。
恋愛小説の女の子みたいに、相手をくらくらさせて欲情させるほど色気醸し出すなんて…
私には不可能だ。
これは、完璧に男女逆転劇。
天然で誘ってくる罪な女の子ヒロインと、
それに目がくらんで頭をかかえる男子生徒。
まさにその逆転の図がここに繰り広げられている。