雪系男子のゆうちゃん
結局なんだか流れで家まで送ってもらっちゃった。
こんなガタイのいいオンナが、華奢で可憐な男の子に送ってもらってるって、
なんか肩身狭いんですけど…
といいつつも、大好きなゆうちゃんとの帰途は夢のようで。って乙女かよ私は。
ゆうちゃんに会ってから、柄になく乙女的な発想や行動をしてしまう自分が慣れなくて恥ずかしい。
けれど、やっぱり少し嬉しかったりする。
無縁だと思ってたのに。
私、恋なんてできちゃってる。
「ゆうちゃんってさー。」
家の玄関で、送ってもらったことにお礼を言ってからゆうちゃんと向かい合う。
「なんか中身普通だよね。」
私がそう言うと、ちょっとムッとした表情のゆうちゃん。
「ち、違うよ!?
顔はいいのに、中身が普通で残念とかじゃなくて!!」
絶対そう言われたと思ってる。
でも私が言いたいのはそうじゃなくて。
「容姿は誰をも魅了するくらいなのに、全然調子に乗ってないっていうか…
なんか、そうやって普通に普通の考えで生きてるから…
そういうとこ、すごい好き。」
私を見下ろすゆうちゃんに向かって、ここぞとばかりに真っ直ぐとそう言った。