雪系男子のゆうちゃん



すると、少しは赤くなってくれるかと期待した自分が恥ずかしいくらい何事もないかのように

ゆうちゃんは

「うん」とだけ言った。


さすがは今まで無限の告白を対処してきた男。

そのそっけなさもまた

「好き 好き好き 好きだなー!」

ゆうちゃんの顔を覗きながら、好きを連呼。

暗くて表情が見えづらい。顔色もわからない。

だからいいのだ、私がこんなに真っ赤になって言ってるのにも気づかれない。

ただのあやちゃんの気まぐれな発言と思ってくれるだろう。



ドキドキしてるのを気づかれないように、でも少しは気づいて欲しいなんて思いながら、
好きを言い続ける私に


「はいはい、もう分かったって」

と言いながら、早く家に入るよう促すゆうちゃん。


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