雪系男子のゆうちゃん
嵐のような2人の言い争いが、ぶわっと通り過ぎて、浜田があやちゃんがいたあたりを見つめてる。
怒りで黙りこくったとみられる浜田の次の反応を考えると面倒で、俺がまた参考書に目を落とした途端…
「い、今の見た!?なんなの、結城ってなんであんなにかっこいいの!?」
パッと顔をあげた浜田がキラキラした瞳で俺を見つめてくる。
教室全体に響くような大きな声で、「マジ、憧れるんだけど!!ほんとかっこいい!!」と、ひたすら感心しているから拍子抜けした。
「俺さー、結城と幼馴染なんだけどさ」
浜田がしみじみ、といった感じで語り始める。
幼馴染なんだ。だからあんなに仲良い(?)のか。
納得。
「あいつ、小さい頃から全く女っ気ないの!
でさ、俺がよくいじめられて泣いてたら助けてくれるわけよ。
その時、ほんと男のくせに弱いんだから。っていいながら俺の頭を優しく撫でんの!
その結城の表情って言ったら!!
優しくて、凛々しくて、かわいくて…
実はこいつが、俺の中では他のどんな女の子よりも女の子なんだって思ったんだ…」
うっとりしながら乙女みたいに話す浜田に若干引きながらも、
2人の小さい頃のエピソードにちょっとかわいげがあって面白い。