雪系男子のゆうちゃん
夏と補修とばあちゃんと
「夏だぁぁぁ!!!」
「補修だぁぁぁぁ!!」
うるさい…
…………耳潰れる…
隣にいる喋る元気玉2人がそう叫ぶので、俺は修了式後、机に耳を塞いでうずくまる。
「ゆーーちゃん!夏は私と遊ぼうねぇ!」
「お前は引っ込んでろ結城!
綾瀬と遊ぶのは俺ですぅ〜」
「死ねカス補修だろ」
「…っく、なんも言えねぇ」
相変わらずのあやちゃんの暴言に浜田が打ちのめされている。
「ゆうちゃんは、3日間だけだもんね!補修!」
蔑むような瞳を次の瞬間にはコロッと輝かせて、浜田から俺に目を向けるあやちゃん。
「だからいっぱい私と遊ぼうね!
って言っても、私は空手の稽古がすぐ始まるから
会えるのは夜くらいかなぁ」
ゆうちゃんがうーんと腕を抱えながらそういう。
「ゆうちゃんは?夏はずっと暇なの?」
あやちゃんがそう聞くから、俺は待ってましたとばかりに、「沖縄のおばあちゃんち」とドヤ顔で答えた。
ふっ。
これでもうあやちゃんと浜田の出す手無し。
さすがに沖縄まではひっついてくるまい。
俺のおばあちゃんちでの優雅な夏休みをこの2人に侵されては困る。