雪系男子のゆうちゃん





「うわぁ、絢香ちゃん相変わらずのナイスバディだねぇ」



みゆがまじまじと私の上半身を眺めながら感心した声をあげる。



「みゆも変わらないじゃない。」


「絢香ちゃんに比べれば板よこんなの」


「それが板だったら世の中の半数の女子が自殺するわよ」




私たちはそんないつも通り(?)の会話をしながら着替える。



「そういえばね、みゆ、好きな人できたんだけど。」



「もう?みゆこの前彼氏と別れたばかりじゃん」


「もうあんなヤンキーこりごり。入学式早々、その人に一目惚れしたせいで振っちゃった。」



「あんた、ヤンキーと付き合ってたの?」



「優しかったんだもん、初めは。」


みゆがくくっていた髪をほどく。


あれ…?


入学式?


ヤンキー?


一目惚れ?



「もしかして、入学式で綾瀬優に一目惚れして2年間付き合っていた彼氏を振ったのって、


あんた?」




「うわぉ、すっごい絢香ちゃん。なんで知ってるの?完璧。」



うそでしょ。

私あんたの彼氏とその取り巻きからあやちゃん守るためにちょっと労力費やしたんだけど。



ていうか、


「ゆうちゃんのこと好きなの?みゆ。」



「ゆうちゃんって?綾瀬くんのあだな?」


「私がそう呼んでるだけ」


「綾瀬くんと仲良いの?やっぱり席隣だから?綾瀬くんって喋るとどんな感じ?
あぁ、いいな〜〜綾瀬くんと同じクラスでしかも席となりって。」



みゆは私の問いかけには答えず、一方的に話し続ける。



< 56 / 188 >

この作品をシェア

pagetop