雪系男子のゆうちゃん




そんなこんなで、2人と2匹で少々遊んだあと、


おばあちゃんの「お風呂湧いたぞ〜入らんばー」


と言う声が聞こえた。


「誰から入る?」


あやちゃんがそう聞くと、「俺!汗かいたから俺!」
と浜田が手をあげる。


「いやよ、あんたの汗の後なんて絶対!」


あやちゃんが断固拒否する。


「じゃあ公平にじゃんけんな!」

浜田がそう言って、結局、俺、浜田、あやちゃんの順になった。



「ええー!だから嫌だってば浜田の後は!」



「うるせえ、決まったんだから文句いうなよ!」


また2人が言い争い始める。


「いいじゃん、じゃああやちゃんが1番先に入りなよ。」



俺は、あやちゃんを風呂場へ案内しようと立ち上がる。


「ええ!?何でだよ!」


「だって女の子だし、男の後とか嫌なんじゃん?」


俺が言うと、「あぁ、ゆうちゃん好き!」とキラキラした目で指を顔の前で絡める。




「はぁ〜?一番風呂がよかった…」



落ち込む浜田を置いて、俺はあやちゃんを部屋から出るよう言い

そのあとそっと、

「あやちゃんのあとだよ、あやちゃんの入った後のお風呂。」


と小声で囁いた。



浜田はハッとしたように顔を上げ、「お前って言う奴は……っ!」と涙ぐみながら感動していたので、単純な奴だと改めて悟った。







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