雪系男子のゆうちゃん
俺は浜田のいる部屋に全力で走った。
今世紀最速のダッシュだったと思う。
ギシギシ…っ、ガタッ…!
勢いよく開けすぎて、ふすまが外れた。
「うわ、びっくりした。どうしたんだよそんなに焦って」
寝転びながらスマホをいじっていた浜田がびっくりして顔を上げる。
「はぁ、はぁ、聞いて…っ」
俺は肩で息をしながら浜田の元に駆け寄った。
「なに?どうしたの?何事!?」
浜田もただ事じゃないと、その場に正座をして姿勢を正す。
「あやちゃんがさ……」
「う、うん」
浜田はごくり、と唾を飲む。
「Fカップだった。」
「………マジ?」
「俺の目に狂いがなければ。」
「………見たのか?」
「うん、バッチリ。」
俺の額から頬にかけて、たらりと汗が流れる。
浜田もまた、ごくりと唾を飲む。
「うっっっっわぁぁぁぁあああ、俺も見たかったぁぁぁぁああ!!!」
浜田が突然発狂して、布団をバフッとかぶった。
「ずりーぞお前!!!幼馴染の俺さえ見たことないのに!!」
そして、押入れを乱暴に開けて、中から枕や座布団を次から次へと俺に投げつける。