雪系男子のゆうちゃん



とりあえず爆笑してるあやちゃんにホッとしながらも、豆鉄砲を食らったまま放置されている俺の身にもなってほしい。



ひとしきりの爆笑を終えたあやちゃんは、ポッケからそっと何かを取り出す。


「……あ」


にやにやといたずらっぽい笑みを浮かべるあやちゃんの右手には…目薬。



…ちっ、心配して損した。


俺の鼓動返せ。

ポーカーフェイスの裏に流れた冷や汗返せ。



俺は皮肉たっぷりにあやちゃんを睨んで、
そのあと首筋から下へ滴る汗の流れ行く先に目をやった。


「なにみてるの、えっち」


「…」


髪を耳にかけて顔を覗き込んでくるあやちゃんのいい香りが、ふわっと漂ってくる。


沖縄でのいろんな記憶が蘇って……



………なんかモゾモゾする。



< 83 / 188 >

この作品をシェア

pagetop