雪系男子のゆうちゃん
綺麗なストレートの髪を風になびかせながら、
女子に混じって何かおどけた表情をするあやちゃん。
その拍子に、周りがどっと笑いに包まれる。
「可愛いし、性格良くね?」
「まあ、確かに。」
俺が肯定すると、おお!?と男どもが湧く。
「ただ…」
「ただ…?」
「おっかない」
「はははは、わかる、あいつつえーもん」
「地方大会ずっと1.2争いしてんもんな」
「なんの?」
「綾瀬、知らねーの?有名じゃん。集会でもしょっちゅう表彰されてるし」
え、そうなの??
え、なんの??
「空手だよ!あいつ、めちゃめちゃ強い空手家だよ!!」
浜田が、知らねーのかよ!と俺の頭をはたく。
えええええええ、
そうなの!?あやちゃん、強靭そうだとはと思ってたけど、
まじで強いの!?
「は!?おっかな!」
俺が、女子の群れをもう一度振り返ると、やはり笑いながら歩いてるただの女子高生だ。
…
考えたこともなかった…
空手…
「…………まじで!」
「いやいつまでびっくりしてんの笑」