雪系男子のゆうちゃん



み、

み、

みーちゃん!?


は、なに、みーちゃんって?


いや、まさかと思うけど、美優のみーちゃんじゃないよね?


え、

なになに?


一気に頭が真っ白になった私は、そのあとも楽しげに話す2人から時々聞こえてくる、

ゆうちゃんの「みーちゃん」という声に耳を塞ぎたい思いで教室に駆けた。




みーちゃん?

なんであんなに楽しそうに…

あんな顔見たことないんだけど…



体育終わりの熱気に包まれた教室に入る。

ガタンっ


力なく自分の席について、ぼーっととなりのゆうちゃんの席を眺めた。


なんか、恥ずかしくなってきた。

私、ゆうちゃんと勝手に仲良いと思ってた。



みーちゃん…

なんだ?昔仲よかったとか?そう呼んでたとか?

いや、それなら美優が言ってくるはずだ。


いや、でも美優も最近思い出して、今日ゆうちゃんに打ち明けて、

それでゆうちゃんも思い出した、みたいな…



と、ぐるぐるぐるぐる色んなことを考えているうちに、


次の授業の始まりのチャイムがなった。



となりの席はまだ、空いたままだった。






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