雪系男子のゆうちゃん



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「え〜、というわけで、今日は文化祭の委員を決めたいと思います」


10月に入り、すでに朝晩の冷え込みが増す季節。


学級委員長が前に立って、文化祭の話を進める。


もうほとんどの生徒がカーディガンで登校している。
(私は暑がりだから、ベストだけど。)



黒板には学級委員長が書いたらしい、
「青春の秋!」の文字が厚かましくもデカデカと幅を取っていて、





となりの席のゆうちゃんはというと、いつもながら、ぼーっとしながら話を聞いている。



その横顔がなんとも綺麗で。

白のカーデガンがこんなに似合う男は、日本中の高校生をあたってもきっとゆうちゃんくらいだ。

まさしく、雪系男子である。



窓から吹いてきた風に、ふわっとゆうちゃんの前髪が揺れる。




同時に、ゆっくりまばたきしながらこっちをみたゆうちゃんに、心臓が止まりそうになる。




思わずさっと目を逸らして、


誰もが認めるイケメンがすぐそばにいる、ということだけで、そろそろ満足しなきゃいけないのかなぁ〜なんて考える。







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