Bad Voice

転校生

「ここが今日から通う学校かぁ…」

とある少年が
大きな校門を見据えながら
楽しさと不安が入り交じったように
言った

その、言葉は
校庭であそんでいる生徒達の声に
かき消されていった…




｢ねーぇ、祐輝、日直代わってえええぇ｣

朝からテンションの高い状態で机に突っ伏して寝ている俺の元に向かって
叫んで来る奴

こいつは、 菊本 拓弥 (ｷｸﾓﾄ ﾀｸﾔ)
ダンス部に所属しているかっこいいと
言うよりはかわいいに属する
いわゆる、小動物系男子と言ったところだ

｢ねー、ゆーきー！聞いてるー？｣

俺の耳元でおーいと言う仕草をしつつ
尋ねてくる拓弥に
なんだよ、と気だるそうに俺は答えた

そんな俺は、村山 祐輝 (ﾑﾗﾔﾏ ﾕｳｷ)
現在風邪気味で、
基本何にも関心を持たず
ちゃんとした友情関係さえも築けていない
どこにでもいそうな高校2年生

だーかーらー と続ける拓弥に
面倒になり
はいはい、と適当な返事を返すと
やったー！ありがとー
などと言いながら拓弥は自分の席に戻って行った。

今日も１日が、始まる