Bad Voice

――――――To.匠海――

「あぁ、こっちもなんやわかったら連絡するわ、ごめんな、ありがとう」

―――――――ブチッ――

太陽のおる、東京もはまの呪いが……

「春馬……はるまぁぁっ……」

柊生も、こんな状態やし
一体どねんしたらええねん



――プルルルルルッ――――

そうこうしているうちに、
俺の携帯電話がなった

「はい、もしもし」

「あぁ、もしもし?匠海くん?」

「あ、龍二の……」

電話の相手は龍二のお母さんだった

「えぇ、今回は迷惑かけてしもたね」


「いえいえ、迷惑だなんて、俺ら何もできひんくてこちらこそ、すみません」

「あやまらんといて、それよりな龍二の机片付けてたんやけど……」

龍二の母親は少し戸惑った様子だった

「なんか、でてきたんですか?」

「龍二の……日記が出てきてね」

「日記?」

日記が出てきた、と告げた龍二の母親は
なぜか、悲しげな言い方だった

「匠海くんや、昌暉くん柊生くんにも見てもらいたいねんけど……」

「はい、分かりました柊生は行けるかわかりませんけどとりあえずそっち、向かいます」

――――ブチッ――

「誰からや?」

昌暉が柊生を抑えながら言った

「龍二の母親からや」


「龍二の母親が今更なんて?」

昌暉は、泣いている柊生の脇に座って俺の方を見た

「日記が、出てきたんやとよ」

俺は、財布と携帯をカバンに詰めながら
昌暉の問いに答える

「お、お、俺、も……行く……」

「はぁ!?柊生お前そんな状態でなにゆーてんねん!!」

いきなりの、柊生の発言に驚き
昌暉が、柊生をおさえる

「昌暉……はなしたれ」

「は!?お前までなにゆーてんねん」

「龍二の母親は俺ら3人で来て欲しいらしい」

俺はそう言いながら柊生の腕と足の縄を解いた
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