Bad Voice
――ピーンポーン――

「あ、来てくれたんやね……上がってよ」

俺たちは重い足取りで龍二の家に向かい
ついたと同時に柊生がインターホンを押し中から龍二の母親が出てきた

「お邪魔します」

俺は家へ入ることを拒む昌暉の手を引き
柊生と3人で家の中へ入っていった


龍二の家に入ると
香水でもないいつも通りの
龍二の香りがした
いまでも、名前を読んだら
何だよ!なんて言いながら龍二が
出てくる気がする

「これなんやけどね・・・」

すると、すぐに龍二の母親が
日記をもってやってきた

俺は母親から受け取った日記帳を手に取り
最初のページをめくる

その中には普段の龍二とは思えないほど
丁寧でキッチリとその日の出来事や
反省などが、書かれていた

パラパラと、ページをめくっていくと
明らかにおかしいページが出てきた


△月○○日

嫌な予感がする
昔から霊感とかカンとか鋭い方じゃ無かったけど
なんか、嫌な予感がするんだよなぁ
誰かに見られてるみたいな視線感じるし
気のせいだよな。


□月○○日

嫌な予感や、視線を感じ始めてから
約1ヶ月がたった
やっぱ、気のせいなんかじゃない
今日、俺、匠海、柊生、昌暉でゲーセンに
行ったけど後ろから誰かにつけられてた
なんなんだよ


✩月○○日

今日の帰り誰かに後ろから突き飛ばされた
その時、なんか
後ろの正面誰でしょう
とかなんとか、聞こえてきた
でも、匠海たちに心配かけらんないし
もーすこし、探り入れてみるかな


それからいきなり龍二の日記は途絶えていた
俺はその日記を机の上においた

「その日記ハシが折れてるページがある」

ぼそっと柊生が、つぶやき
俺は、慌ててハシが折れてるページを開く
< 31 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop