Bad Voice
――――――To,祐輝の家――

「祐輝・・・ごめんね?迷惑かけて」

拓弥が俺の部屋に入るなりそう呟いた


「気にすんなって、俺の親も拓弥のこと気に入ってるしそれより、こっちこそごめんなこんな事に巻き込んじまってさ」

俺は申し訳無い気持ちでいっぱいだった
もし、俺がダンス部なんかに入らなければ
はまに、裏切られたと思うようなことをしなければ
凌雅もこんな事にならなかったし
拓弥をこんなに不安にさせることもなかったかも知れない

「祐輝が、元に戻ってよかった・・・」

拓弥が、笑いながら言った
元に戻った?俺は何もしていないのに

「元に戻った?何がだ?」

拓弥は、やっぱり覚えてないんだね
などといいながら昔の事を語り出した

「祐輝は、覚えてないみたいだけど
祐輝はイジメられてた俺を助けてくれた
皆から嫌われてた僕を皆から好かれる人気ものに、変えてくれた」

おれには、全くそんな覚え無かった

「今は、僕を信頼して慕ってくれる友達まで出来たダンス部の部長もして楽しい毎日をおくれてるのは祐輝があの時僕に手を差し伸べてくれたから」

拓弥は、楽しそうに昔の話を語る確かにそんなことがあったような気がしてきた

「でも、春馬くんの自殺から祐輝は変わっちゃった・・・
人を信じるのをやめて自分だけの力で動いてた頼ることもせずに一人で」

確かに俺は、はまがしんでから
変わった友達も減った
それで周りが傷つかないと分かったから
でも、ダンス部に入って
人と触れ合って変われた

「俺が、変われたのは拓弥のおかげだから」

俺は、無意識に口が動いていたようで
それを聞いた拓弥は笑っていた


「でも、祐輝が昔みたいに戻ってくれて良かった!しかも、僕のおかげだなんて嬉しすぎるよッ!!」

拓弥は、最高の笑顔を見せてくれた
なんだか、こっちまで嬉しくなってきた気がした。

「今日は、もう、寝よ!」

俺はいきなり恥ずかしくなって
頭から布団をかぶった

「恥ずかしがりーー」

そう言いながら拓弥も布団に入った
いろいろあって疲れたのか
眠りに着くのにそんなに時間はかからなかった
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