Bad Voice
「わざわざ、ネタバラシまでせんでええんとちゃうか?」

一人で考え込んでいると
笑いながら太陽がやって来た。

「ホントのことは全部そいつに聞けばいい」

海翔は
太陽を指さしながら言った

そして、太陽は話し出す

「だって、あいつ俺の機嫌を損ねたんやもんな、しゃーないわ」

こいつ……何いってんだ?
機嫌をこそねたから
いじめた?
はまの夢を壊したのか?

「ふざけんな……お前のせいで!何人の人間が被害にあったと思ってるんだ!?
もしかしたら!お前がホントのことを言っていれば!正しい事をしていれば!
少なくとも東京にいた
凌雅!祐亮!それに……拓弥だって!こんな事にはなら無かったかもしれないのに!」

腹が立つ
何も考えていないコイツに
それに騙された自分自身に

「なに熱く語ってるん?いじめて弟が死んだくらいで、人殺す方がおかしいんとちゃうか?」

人を小馬鹿にしたような表情の太陽

「お前が、海翔や桃菜を変えたんだ!
きっと、2人だって最初は殺すつもりなんてなかったはずだ!
でも、お前は自分のためだけに、はまに罪をなすりつけた」


「んなことゆーたかて、加害者はあっちやで?」

それは……違うと思う

「違う……海翔や桃菜は被害者だよ……」

俺のこの発言には
桃菜、海翔も驚いていたようだった

「初めに大切なものを奪ったのは
お前だよ……太陽」
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