Bad Voice
「はー?元々は寺坂の意志が弱いだけやろ?」

この言葉には
桃菜の我慢が限界だったようだ

「このっ……クソが!」

桃菜が太陽を殴ろうとしたとき


「もう、やめろ……」

海翔が桃菜を止める

「はぁ!?お兄ちゃんまで何言ってんの!?」

桃菜は理解が出来ないようだった

「確かに、俺は太陽を恨んでる
許すことなんてできない……けど
関係ない人まで傷つけたんだ」


海翔は俺の元へ向かって歩いてくる

「お前みたいな奴と出逢えて兄貴幸せだったと思うよ……本当に」

そんなの嘘だ……
俺はハマに嫌われてたんだ……軽蔑されてた


「はい、これ」

海翔から手渡されたものは
一通の手紙

「兄貴からだよ」

はま……から?
俺に?

その手紙の内容は


〝あんな別れ方してごめんな
お前が俺を突き飛ばしてないことは分かってた……でも、それを言ってしまうとお前が復讐するんじゃないかって思ったから
あの時いじめられてたって勘違いしてた俺を許してくれてありがとう

こんな俺を楽しませてくれてありがとう〟


P.S. 海翔と桃菜をよろしく頼む!



馬鹿じゃねーの
こんな泣ける手紙残して死んでんじゃねえよ

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