Bad Voice
「君もダンス部入るん?」

いきなり頭上から声が聞こえてきた
だが、顔を見なくても分かった
この喋り方はこの関西弁は
転校生だと
俺は、こいつが好きじゃない
クラスの雰囲気が変わった
何も知らないくせに
吉野と笠原に気に入られて口も軽そうだし
なんせ、髪の毛もあるが見た目が
チャラチャラしているからだ。

「そうだけど」

どうでも良かった
早くどこかに言って欲しかった

「村山 祐輝 久しぶりやな」

転校生がこの言葉を発するまでは

「は?誰だよ
なんで俺の名前知ってんだ?」

俺の知り合いに茶髪なんていない
確かに一時期大阪に滞在していたがこんな奴みたこともない
それに俺は大阪にいい思い出がない
できればあまり思い出したくない


「俺の名前聞いてなかったやろ」

そんなことを考えていると転校生が唐突に
名前の話をしだした
だか
たしかに
名前は、なんだっけ
松谷? 松岡 ?
松尾芭蕉?いやいや
などと自問自答していると

「太陽やてよ!ちゃんと聞いとかんかいっ」

タカシ?太陽?えっと?
などと、考えていると

「なんでここにいる?」

俺は、無意識に嫌な顔をしていたようで

「ゆーうーきーどしたの?顔怖いよ?」

拓弥が俺にむかって走ってきた

< 6 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop