月の華
嵐が本を開いた時に見ていたそれは少し色褪せた嵐と葉月が施設に入りたてぐらいだろうか。
とても幼かった頃の写真みたいで
2人ともまだ黒髪だった。
この時から美男美少女みたいだった。
私はいつか本に挟まれているのが気になって何度も見ようとしたが嵐も葉月も見せてくれなかった。
「何かよ。二人三脚で育ってきた俺らはよこの時に孤独を知っちまったんだよな。それと兄妹の有り難さ的なのか?」
そうなのか…しっくりこないのも当たり前。
私には妹というものがいない無論一人っ子である私には無縁のことだ。
「まぁ、分からないコトもないかな…だって、嵐も葉月も私の兄姉みたいだから。」
「そうか…」