月の華



「ねぇ嵐聞いた?カラスだってよ!」






「そうだなカラスかー」






「私たちより下の子だよね」





いつも葉月は気にするんだよな。






いつも観察してた時に教えてくれる子たちは大体自分たちより年下の子









そして、




「お母さん!こっちだよー!」





ふと女の子の声が響くと母親と抱き合ってる女の子。

その顔には満面の笑みを浮かべ、女の子が居た方には父親らしき男が女の子の頭を撫でながら笑っていた。








「あれが親子なんだね。私たちの家変だね。」







「年下の子の方が物知りだね。」







そう言う葉月を見てられなかった。







そんな平和な時は僅か。






晩御飯を持ってきた奴らはニタニタと笑っていた。






「ねぇ…あんたたちの所為で仕事が難しくなってきたわ。少しずつ食べる量減らしてあげるから喜んで。空腹は満たされるはずよ。」






そう言ったあいつらが持ってきたお盆の上にはオニギリが二つ。魚の切り端だった。











少ない。





それは見れば幼稚園生だろうが分かるような量。








それを3食…




おやつで林檎の皮や、みかん一つ、バナナ一本を2人で分けたりしていた。















< 110 / 211 >

この作品をシェア

pagetop