月の華



葉月はその後ろ姿を見ながら






「私と同学年代なのに大人っぽくなってるわね。」





フォークを口に当てながら言う葉月は何とも可愛かった。






シスコンブラコンとはよく言われる…が、俺らには関係ない話だ。








「食べ終わったか?」





葉月が食べていたガトーショコラが乗っていた皿を見た。




「えぇ、ごちそうさまー!っと重くないお菓子とかあるかしらね。」




口の横にチョコを付けている葉月はそぅに何を持って行くか考えていて子どもらしかった。






「葉月口拭けよ。」




おれはそう言いながらコートを羽織り出すと、葉月は慌てて口を拭きコートを羽織った。







喫茶店から出るとまず向かったのはスーパー。







コレとコレと、と籠にお菓子を入れていく葉月。



終いにはジュースやコーヒーまで入れ出した。







「残ったらどうするんだよ。」





「そぅに全部差し入れじゃないよ?龍さんの分もあるんだから!」




と、威張って聞かないので渋々大量に積まれたお菓子と飲み物の山を買うとそぅが入院している病院に向かった。








少し離れているから電車で。







全身真っ黒で白っぽいコートを着ている俺らは凄く目立って居たようで



着替えてくれば良かった。






と、後悔した。





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