月の華
そして、俺たちは寮へ戻った。
「龍さんにこれ渡してくるね。嵐は先に戻ってて。」
「いや、俺も付き合ったし着いて行くぞ。」
この訓練場内でも“狼”たちが葉月を狙ってるからな。
そうなれば離れておくわけにはいかないんだよな。
いくら強くても力でねじ塞がれるし叶わないからな。
「そう?じゃあ一緒行こう。」
葉月はニコニコして龍さんを探した。
「あ、龍さん!」
「お?嵐と葉月。嵐何か用か?」
「あ、俺じゃなくて葉月です。」
「龍さんこれ!差し入れです。
聞きたいことあるんですけどイイですか?」
葉月は俺らの分のお菓子を抜いてビニール袋を龍さんに渡した。
「おぉありがとう。聞きたいことか…明日紹介したい奴がいるからな。それぞれ別の訓練場の見習いなんだが。」
「あ、そのコトです。」