月の華
「ジェミニありがとな。何かスッキリしたぜ。」
「何のことかしら?ボケっと勘違いしてるから手間掛かったのよね。」
フッと微笑んだ銀河は上島医師に何かを呟いて私がいる方と反対に歩いて行った。
「ジェミニちゃん。ゴメンな。お父様は」
「パテルが弱ってる証拠です。上島医師の所為ではないですよ。」
そう言っても眉を顰める上島医師に
「パテルの脳ガンってどのくらい進行してるんですか?」
「え…」
何故かまた顔面蒼白になって固まって行く。
まずかったのかしら?
「頑張れても半年も持たない。」
不意に聞こえたその言葉に私は唖然とするしかなかった。
半年も持たない?
いつ発症したとかもガンの詳細なんて詳しくないから分からないけど…
パテルが散ってしまうことは分かる。