月の華




「モルス。忘れたのか?あの日ここに入れると同時に条件をつけたこと。」







「殺し屋になること。」




「ムーサには早朝塔から出ることを許さない。」





「学校を抜いてな。」と、インペラートルは付け加えた。








「んだよそれ!だからってあんなコトして!1日外出許可なんて出なきゃ良かったんだよ!!傷付いてんだろーが!」




モルスの言う通りだ。




だけど、モルスにはムーサの元へ行ってもらわなきゃ。








「モルス。後は私が変わるわ。ムーサは仮眠室に居るわよ。」







眉をしかめて俯くと私の肩に手を乗せて








「…任せた。」








低いトーンで言うと部屋を出て行った。







「インペラートル…いゃ、もうドラコーさん悪いですけど幻滅しましたよ。金輪際とは言いません。もう先は暗いんですムーサやルナに危害を加えるコトを一切しないで下さい。」







「インペラートル。マーテルのこと愛してるの?私にはアモーがよく分からないわ。マーテルのことはどうでもいいの?!ねぇ。」






私もインペラートルに言い放つが次第に口調が強くなっていることは承知していた。








「ルナ…そうだな。愛してるぞ。」






「ねぇ。何でマーテルよりメトゥスを選ぶの?私には全然わからない。愛してるのならマーテルのところに戻って!」






インペラートルの胸倉を掴むと下から睨み付けた。









「これ以上私を幻滅させないでね。」







昔の私はどう思うかしら。







こんな面倒くさいことよりもクローゼットに行って情報収集した方が効率的。







それにこんなに口数が増えると思わなかった。








「……………Te amo Gemini. metus.」









「Gratias ago.」






私とインペラートルはラテン語で会話をするとインペラートルは無言で部屋を出た。













「……………愛してるジェミニ。メトゥス」







「ありがとう。」







メトゥス…諸君。愛してるか。










インペラートルらしいな。






私とジョクラトルは静まり返ったのを確認すると散乱したガラスを集めた。



















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