月の華
やっぱり骨がある人は居なかったなー。
でも…あの怯えた顔は不慣れって感じで愉しかった。
今のところ100近く終わらせた。
あまりにも簡単過ぎて呆気ない。
返り血も何度か浴びたことだし鉄の匂いが鼻につく。
塔に帰るとモルス達いるけどなー。
半分嫌々塔に帰った。
今日の依頼で1番面白かったのは遠くから殺れって。
そしたら急に倒れて死ぬんだし。あれは笑いそうだったな。
塔に戻ると丁度開店前のBARで
「お疲れ様。101件も殺ったんだな。」
「何件殺ったかなんて覚えてないわ。」
片隅にはほんの少しぐらい罪悪感はある。
けど憶えない。
どんな人でどういう恨みを持たれていたかなんて。
依頼者も憶てない。
まぁ1人5件までだから何度か来たことある人は嫌でも憶えなきゃいけないんだけど。
遠いとこは非通知表示の電話から。
その他はBARにある2人分の部屋で。
「モルスも行きなさいよ。」
「あぁ…そろそろ行くさ。」
モルスはカウンターテーブルを拭きながら言った。