月の華
目覚ましがかかり目覚めた朝。
「_眠い。」
今日は特に行事的なことは無かった筈。
私が一々覚えることでもないんだけど。
制服を纏うと私はコーヒーを持って家を出た。
もう変わらないこの風景。
卒業まではこの風景をほぼ毎日見ることになる。
パテルが逝去したんだから行かなくても良いじゃないかと思ったけれどそれもそれで後々面倒臭くなることが目に見えてるから却下した。
「おはよう。」「昨日さぁー」
「マジかー!」「あり得ん!キモいよそれ。」
部活動生が会話を弾ませる。
退屈だわ。暇で仕方ない。
本を読んでも対して変わらなくて辞めた。
外の景色や人の会話を耳に掠めながらその瞬間をやり過ごした。
誰も居なくなる教室。
嗚呼…右目が疼く。
赤い瞳が何かを訴えてる。
分からない。私はその訴えを拒んだ。
「ジェミニ…?どうしたんだ。」
おはようも言わずに不意に話しかけて来たのは光斗。
「ただ先週の依頼を考えていただけよ。」
「珍しいな。」
「らしくないことも偶にはあるのよ。」
「そうだな。」