月の華
「ジェミニって変わったよな。」
光斗に言われて再度自覚する。
「笑うようになったこと?それとも丸くなった?」
光斗は眉をしかめると
「確かにそうかもしれないな。
仕事の依頼の引き受け方とかも…かな。」
引き受け方か…
そこは自覚ないなどこが変わったのか自身には全く。
「まぁ先週の依頼も数件は断ってるみたいだがな。」
フレームをグイッと上げると光斗は銀狼たちの席を見た。
「あいつらにはネタバラシするんだろ。ここじゃないあっちで。」
「えぇ。そのつもり。着いてくるかしら?」
「1人で行かせるわけないだろ。インペラートルとはいえ急に何されるか…
あいつらが正統派だとまた別なんだが。」
銀狼は確か正統派。
だけど…私だけじゃスリルがなくて楽しくもない。
だから…連れて行こうかしらね。
「今宵は愉しい愉しい宴____になりそうね。」
ニヤッと口角を上げた私に光斗も目を窄めた。
「愉しみだな。俺も勿論連れて行ってくれるんだろう?」
「愉しみは多い方がいいでしょう。」
刻々と去って行った時間は光斗と過ごした。
銀狼たちの席は空席。
HRでは
「今日は上島 銀河くんは休みだ。あと2人は来るそうだ。」
チッ____
私は心の中で舌打ちをした。
焦らしていくのは幹部のみか。
まぁ少しでも焦ってもらった方がオモシロイ。