月の華







2時限目が終わった頃利加と勇雅は来た。








「おはよう。どうしたの?」






「あ、ジェミニちゃんおはよう。調べ物が全然進まなくて…キリが良いとこで切り上げて来たんだけどね。」








利加の目の下には薄っすらくまができてる。









慣れないパソコンと格闘していたんだろう。








「そう。大変なのね。休養しっかり取りなさいよ。」







大切だけど…し過ぎたら後々酷になるわよ。







ニヒル笑いをする光斗を横目に勇雅にも話しかけた。










「勇雅もパソコンしたの?」







「俺は聴き込みみたいなもん。怠い。」







言い終わると同時にガバッと机にうつ伏せになった勇雅。








大分重労働したみたいね。







「ねぇ。私も手伝いたいんだけど…」






「本当?!」






食らいついてきたのは利加。





余程疲れていたみたい。






「えぇ。パソコンは得意よ。今日一回帰ってから行くから。」







パァッと顔色を明るくした利加。






単純ね。






余りの滑稽さに笑いが出そう。







その日は愛羅に断って帰った。









マンションのエントラスを抜け最上階へ登る。








私は玄関に入るとまず軽くメトゥスとメルムの関係やロックを固くした。





そしてパソコンから光斗にメールを送るとクローゼットに立った。









光斗に送った内容は




【19:00〜□□の裏路地
スーツ、仕込み忘れずに
ついでに21:00〜の依頼モルスから引き取って。】










という内容。








ピエロの仮面も勿論のこと持っていく。








さぁ…宴はどう騒ぐ?____









友情ごっこを見せてくれるのかしら。









愉しみで仕方ないわよ。








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