月の華
敵わないの…かな…
私は手元の資料に目を向けて
「何故こんなに情報が軽すぎるんですか?
殺め方、時刻すら書いていない。
依頼人は?」
レックスは目の端にシワを寄せて笑った。
「お主ならすると思ったぞ。
情報は獲得できず…でわしにもよう分かっておらぬ。
失敗すると密売人に知れ渡る。
そして、警察が依頼人じゃの。極秘のな」
「そうですか。」
失敗…?何それ…自意識過剰してるわけじゃないけど、失敗しない自信はゆうにある。
甘い世界じゃないことは見習いのウチに感じてきた。
自信があっても経験があっても殺される時は無。
才能次第となることが主で生き残るものはこの世界に少ない。
抜ける際もなにかしらの罰は加えられる…から。